アイメック(フィルム農法)とは?What is Aimec Agricultural Law

アイメック(フィルム農法)とは?
アイメック(フィルム農法)は、世界が今日、直面している食料の安定供給・品質、水不足、土壌劣化・汚染などの深刻な問題に対処するために開発された農業技術です。

アイメックは、養液上に設置されたハイドロゲル膜と呼ばれる特殊なフィルムの上で作物を育てる技術です。

フィルムにはバクテリアとウィルスを遮断するナノサイズの穴が無数に空いていて、養液が汚染されても作物を生産でき、農薬の使用を大幅に抑えることができます。またアイメックでは水と肥料のロスをゼロにすることができます。

「フィルム中に吸収された養液は絞っても外部には出ない」というハイドロゲルの性質により、作物はなかなか出てこないフィルム中の養液を摂取するために、膨大な量の毛細根を発生させ、水と肥料を効率的に吸収し、高糖度などの高栄養価に成長します。

アイメックは、作物の本来持っている機能を最大限に引き出す、新しい農業技術です。
アイメック(フィルム農法)とは?

アイメック開発の経緯とこれからBackground and future

アイメックは、透析膜、人工血管、カテーテルなどの医療用製品に用いられる膜及びハイドロゲル技術の開発を30年以上にわたり行ってきたメビオール株式会社の社長 森有一(元早稲田大学客員教授)が発明した技術です。

森は、医療分野で培ってきた先端高分子技術を農薬分野に展開し、地球温暖化の進捗によって世界各地で起こっている水不足や土壌劣化・汚染によって引き起こされる食料の安定供給及び安全性の問題に対処するため、1995年にメビオール社を設立しました。

アイメックは2008年にトマト生産に導入されました。今や普及面積も100,000坪超となり、現在も拡大し続けています。トマト以外にきゅうり、メロン、イチゴ、バナナ、パプリカなどの果菜類の生産も検討中です。

農業に向かない不毛地帯でも高品質な作物が生産できるというアイメックの特徴を生かし、国内では大規模災害地、海外では土壌汚染が危惧される上海近郊やドバイの砂漠などで高品質トマトの生産が始まりました。また、アイメックトマトの生産は、サウジアラビア、ロシア、アメリカへの導入も計画されております。
さらに、アイメックフィルムを使用した、レタスなどの葉菜類の栽培を目的とした新規の植物工場技術を開発中です。
特許で保護された技術

特許で保護された技術

アイメックの特許は134ヵ国以上で出願され、
すでに110ヵ国以上で登録されています。
アイメック開発の経緯とこれから

根の見える化Visualization of roots

栽培中のトマトの様子とアイメックフィルムに 活着した大量の玉との毛細根(右)

栽培中のトマトの様子とアイメックフィルムに
活着した大量のトマトの毛細根(右)

近年、収穫量や品質の向上を目的とした「栽培環境の見える化」が一般的となってきました。

これまで、勘や経験をもとに行ってきた栽培の管理方法をモニタリングすることで数値として把握し、管理の改善、マニュアル化を目指す一つの手法です。

アイメックは、従来の農業技術では見ることのできなかった根の状態も「見える化」しております。

アイメックでは、非常に多くの毛細根が発達します。毛細根は植物にとって非常に需要な器官であり、作物の健康状態、収量、品質を左右します。

根の量、根の色、水・養分の吸収量が見えることは、トマトの状態を把握、診断するのに有効です。

高品質な生産物High quality product

アイメックで生産された各種フルーツトマト

アイメックで生産された各種フルーツトマト

アイメックフィルムの性質が、養分を効率的に摂取できる膨大な量の毛細根を発生させます。その結果、アイメックで育ったトマトは食味、香りもよく、糖度や栄養価(リコピン・アミノ酸やギャバなど)が非常に高くなり、高評価を得ております。

近年の消費者動向調査では、安全、安心、高栄養価の野菜は、価格が少し高くても消費者から選ばれる“量から質へ”の傾向があり、それはアイメックのコンセプトにも合っていると言えるでしょう。

事実、それぞれの農家様によりアイメックで生産されたトマトは、様々な賞を受賞するなど各方面から評価されております。

また、「トマト嫌いの子どもでも喜んで食べる」といったお母さん方の声もたくさんいただいております。

誰でもできる農業へAnyone can do to agriculture

誰でもできる農業へ
土は農業の主役を務めていますが、土の性状を正確に制御することは大変難しいことです。土の性状は場所、季節によって変わります。

高品質トマト(フルーツトマトと呼ばれている)を安定的に生産できる土作りや水やりの習得には10年かかると言われていますが、アイメックでは土の代わりに画一的な工業製品であるフィルムを使うことで、農業の未経験者でも短期間で再現性の高い農業を習得することが可能です。

実際に、これまでにアイメックシステムを導入された非農業事業者の割合は全体の6割を超えております。様々な異業種の方がアイメックシステムを採用して農業への新規参入を果たし、初年度から高品質なトマトを生産、販売されています。

現在ではアイメック導入農場は約120か所を超え、日々蓄積される知見をもとにより安心し知恵取り組めるような技術が蓄積されてきました。

どこでもできる持続可能な農業をMake sustainable agriculture possible anywhere

UAE(アラブ首長国連邦)の アイメックシステム導入農場

UAE(アラブ首長国連邦)の
アイメックシステム導入農場

アイメックでは、砂漠や汚染された土壌、塩害を受けた土壌、また、ビルの中でも高品質な野菜を育てることができます。

止水シートによって地面とは完全に隔離しますので、土壌からの影響を受けません。同時に、供給された水と肥料が外部に漏れないため、従来の農法に比べると、水と肥料の使用量が大幅に少ない農法です。

現在、国内では被災地となった岩手県陸前高田市、海外ではUAE(アラブ首長国連邦) の砂漠地帯や、中国の汚染の恐れのある地域などでアイメック農場の導入が進んでいます。

アイメックによって、農業に適さない地域での雇用を創出し、経済を回復させ、人々が希望を取り戻す、そのようなお手伝いができれば幸いです。

アイメック栽培システムの概要Outline of the Aimec cultivation system

アイメック栽培ベッドの構成

アイメック給駅システム

アイメック給液システム

アイメック栽培ベッドの構成

アイメック栽培ベッドの設置方法

整地填圧した土耕ハウスに防草シートを敷きその上に栽培ベッドの枠組みを設置
整地填圧した土耕ハウスに防草シートを敷きその上に栽培ベッドの枠組みを設置
止水シート➀を敷き、下部かん水チューブ②と陽水布➂を置く
止水シート➀を敷き、下部かん水チューブ②と揚水布➂を置く
アイメックフィルム④を敷く
アイメックフィルム④を敷く
ピートモス⑤を約1cmの暑さで敷く
ピートモス⑤を約1cmの暑さで敷く
定植パネル⑥を置き、上部かん水チューブ⑦を置く
定植パネル⑥を置き、上部かん水チューブ⑦を置く
マルチフィルム⑧で覆う
マルチフィルム⑧で覆う
苗を植えて完成
苗を植えて完成
約2 - 3ヶ月後には収穫開始!
約2 - 3ヶ月後には収穫開始!

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